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化学系教室の近況報告

2020年03月20日(金)

佐藤 尚弘(化学科長・高分子科学専攻長)

奥村 光隆(副学科長・化学専攻長)

 本年度は、平成31年4月1日に始まりましたが、すぐさま令和に元号が改まり、もうすぐ令和2年3月の年度末を迎えようとしています。今年の冬は比較的暖かく、過ごしやすいと思っておりましたが、コロナウィルスによる新型肺炎が世界的な流行の兆しを見せており、早期の終息が望まれるところです。恒例の永契会ニューズレター発刊に際しまして、化学系教室の近況をご報告申し上げます。

 まず、教室内の人事に関しましては、長らく化学教室でご勤務になられていました分析化学研究室の福本敬夫助教が昨年度末でご退職になられ、永契会の前会計幹事でした生体分子化学研究室の土川博史助教が、6月15日付で株式会社大分大学先端医学研究所主幹研究員として異動されました。また、錯体化学研究室の吉成信人講師が3月16日付で准教授にご昇任になられ、新たに小林裕一郎助教(超分子機能化学研究室;1月16日付)、竹川宣宏助教(高分子構造科学研究室;4月1日付)、および梅川雄一助教(生体分子化学研究室;6月16日付)が着任されました。

 高分子物理化学研究室の井上正志教授が、日本レオロジー学会賞を受賞され、有機生物化学研究室の梶原康宏教授が、International Carbohydrate OrganizationのRoy L. Whistler Awardを受賞されました。さらに、生物物理化学研究室の水野操助教が分子科学研究奨励森野基金を受賞されました。化学系教室関係では、協力講座(蛋白質研究所)の栗栖源嗣教授が大阪科学賞をご受賞になられ、昨年のこのニューズレターですでに報告いたしましたが、本学高分子学科・高分子学専攻を卒業された岡本佳男名古屋大学名誉教授が日本国際賞を受賞されています。ここに、あらためてお祝いを申し上げたいと思います。

 1979年に大阪大学大学院理学研究科の附属施設として設置されました化学熱学実験施設は、その後にミクロ熱研究センター、分子熱力学研究センター、構造熱科学研究センターと10年ごとの改組を経て、今年度より熱・エントロピー科学研究センターとして新たにスタートしました。エンタルピー・エントロピーという基本的な熱力学量の精密測定とその測定データに基づく熱科学的研究を通して、新物質や新現象の開拓を推進する、国際的にも極めてユニークな特徴をもつ熱科学の基盤研究センターとして、今後さらなる発展が期待されます。

 今年度の大阪大学での新しい取り組みとしましては、新教育カリキュラムがスタートしたことが挙げられます。これまで大阪大学では、教養・語学の共通教育を2年生前期まで受けた後に、各学部の専門教育を受けるというカリキュラムでしたが、今年度入学の学部1年生からは、2年生後期以降の高学年でも「高度教養教育科目」と「高度国際性涵養教育科目(語学関係)」をそれぞれ2単位以上取らなくてはいけなくなりました。さらに、これら二つの高度教育科目の履修要件は、大学院の修士課程にも適用されています。グローバル化とより広い視野を持った人材の育成を目指した教育改革ですが、高学年では専門教育に集中すべきとの意見も理学部の中では根強く残っていて、この新教育カリキュラムの今後を注視していく必要があります。

 来年度からは、新しい理学研究科長に化学専攻・天然物有機化学研究室の深瀬浩一教授が着任されます。上述の教育改革も、文部科学省の圧力が多少は働いていると思われ、教育・研究の両方において(特に予算において)理学研究科にかかる外圧はかなり強まってきています。学部入試改革でもごたついておりますが、理学研究科・化学系教室としては、新しい研究科長とともに、これまでの伝統に基づく、ぶれない教育・研究を進めていかなければならないと思います。

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